悪い習慣がやめにくい理由
この記事では、自分で減らしたいと決めた、くり返しの行動を、やめたい習慣と呼びます。それが良いか悪いかは決めずに、減らしたいかどうかだけで選びます。
やめたい習慣の多くは、決まった場面のあとに、考えるより先に手が動いて始まります。電車で座ると、気づいたときには、もう動画を開いている、という形です。始めるかどうかを、自分で決める間が、ほとんどありません。そのため、気をつけようと思っていても、その場面が来ると、先に手が出やすくなります。
また、しなかった日は形に残らず、した日のほうが目に入りやすいものです。そのため、少し減っていても、減っていないように感じやすくなります。「今日から一度もしない」と決めていると、1回した日に、それまでの日まで、無かったように感じることもあります。印をつけて数えると、しなかった日も、印のない日として見えるようになります。
この記事で例にするのは、電車でスマホの動画を開く、通知が鳴るたびに画面を見に行く、帰り道についで買いをする、のような日々の小さな行動です。どの行動も、減らすかどうかを決めるのは自分です。この記事では、減らすと決めたあとの進め方だけを扱い、減らすかどうかの判断には立ち入りません。
やめたい習慣を減らす、2週間の流れ
流れは2週間に分けます。1週目は数えて見るだけにして、2週目から減らし始めます。2週間は目安なので、1週目を長めにとってもかまいません。
1週目は、した日に印をつけるだけ
1週目は、減らそうとせずに、やめたい習慣をした日に、印を1つつけるだけにします。この週は、減らす前の、もとの数を知るための週です。
電車の例では、動画を開いた日に、手帳やスマホのメモの、日付の横に印を1つつけます。何本見たか、どのくらい見ていたかは数えません。開かなかった日は、何も書かずにおきます。
最初から減らそうとすると、もとの数が分からないまま進むので、あとで比べられません。1週目の印の数が、2週目の上限を決めるもとになります。数がそろうと、ふだん何日くらいしているかが、思っていた形と違って見えることもあります。日付の横に印を並べていく形は、習慣トラッカーの作り方と続けるコツ ― ノートや手帳で記録をつける5つのルールで紹介しています。
1週目の途中から、きっかけを書き添える
印をつけるときに、その直前に何があったかを、1語だけ書き添えます。この記事では、その直前の場面を、きっかけと呼びます。始めるのは、印をつけることに少し慣れてからで十分です。
電車の例では、「座れた」「乗り換えのあと」「通知が鳴った」のような1語です。そのとき何を思ったかや、理由は書きません。書くのは、目に見えた場面や、直前にしていた動きだけにします。
同じ1語が何度か並ぶと、やめたい習慣が起きやすい場面が見えてきます。数が少ない週でも、書き添えた中でいちばん多かった1語を選んで、2週目に使います。きっかけの後に、続けたい習慣をつなげる形は、習慣を「くっつける」スタッキングのやり方 ― 続く組み合わせ・続かない組み合わせを分ける5つのルールで紹介しています。この記事では、同じきっかけを、減らす側から使います。
1週目の終わりに、次の週の上限を決める
1週目の終わりに、印の数を数えて、次の週の上限を決めます。上限は、1週目の印の数より、1つだけ少なくします。この記事でいう上限は、1週間のうちに、してもよいと決めておく日の数のことです。
電車の例では、「次の週は、動画を開く日を、1週目より1日少なくする」と決めます。決めた数は、印をつける所のいちばん上に書いておきます。書いておくと、2週目のあいだ、印をつけるたびに、その数が目に入ります。
一度に大きく減らすと、上限をこえる週が続きやすくなります。上限は週で決め、日ごとには決めません。ある日に開いても、残りの日で合わせられるので、1日のことで、週の決まりが崩れずに済みます。1週目の印が1つだけだったときは、上限も1つのままにして、2週目は挟む動きだけを試す形もあります。
2週目は、きっかけの後に1つ挟む
2週目は、いちばん多かったきっかけの後に、別の動きを1つ挟みます。この記事では、きっかけの後、やめたい習慣の前に、別の動きを1つ入れることを、挟むと呼びます。
電車の例では、座ったら、スマホを出す前に、かばんの本を開きます。スマホをかばんの奥にしまってから乗る、窓の外の景色を少し眺める、という動きでもよいでしょう。挟んだあとで動画を開いた日も、印はいつもどおりつけます。
考えるより先に手が動いていた所に、ひと呼吸の間ができます。挟む動きは、準備が要らず、その場ですぐにできるものを選び、2週目のあいだは同じものにしておきます。
2週目の終わりに、2つの週を並べる
2週目の終わりに、1週目と2週目の印の数を、並べて見ます。
電車の例では、2週目の印が上限の中に収まっていれば、次の週も同じ上限で続けるか、もう1つ少なくするかを選びます。収まらなかった週は、決めた数を変えずに、次の週も同じ形で続けます。こえた週の扱いは、「減らすのが止まりかけたとき」で取り上げます。
減った週も、減らなかった週も、同じように、次の週の決め方を考える材料にします。数が並んでいると、どのきっかけが多かったかも、書き添えた1語から、あとで見返せます。
減らすのが止まりかけたとき
2週目のあとも、上限をこえる週や、印をつけ忘れる日は出てきます。そのときの扱いを、3つ決めておきます。
- 上限をこえた週も、印は消さずに、した日の分だけつけます。消してしまうと、次に週を並べたときに、数を正しく比べられません。次の週は、決めた数を変えずに始めます。1回こえたところで、全部やめたくなるときの考え方は、三日坊主になる3つの原因と克服する方法 ― 「ゼロか100か」で考えない7つの工夫で紹介しています。
- 2週続けて上限をこえたら、上限を1つ戻すか、挟む動きを替えるかの、どちらか1つだけを変えます。両方を同じ週に変えると、次に並べたときに、どちらを変えたからなのかを見分けにくくなります。どちらを変えるか迷うときは、挟む動きのほうから替えてみる形もあります。
- 印をつけ忘れた日は、思い出せる日だけつけて、思い出せない日は数に入れません。思い出せない日を、したことにも、しなかったことにもしない、という扱いです。数は少し粗くなっても、週を並べる形は変わりません。
印をつけるのをいつ終えるかは、決まっていません。2つの週を並べて、数えるのを続けるか、ここでいったん終えるかを、そのつど自分で選びます。
ほかの例での、きっかけと挟むもの
電車の動画のほかにも、同じ流れを使える習慣があります。きっかけと挟む動きの例を、2つ並べます。
- 帰り道に、コンビニでついで買いをする習慣は、予定になかった物を買った回数を数えます。きっかけは、店の前を通りかかる、レジの横の棚の前に並ぶ、などです。挟む動きには、店に入る前に、今日買う物を1つだけ口に出してみる、などがあります。
- 通知が鳴るたびに、手を止めて画面を見に行く習慣は、見に行った回数を、数えやすい1日だけ数えます。回数の多い習慣は、1週間ずっと数えると手間が重くなるので、数える日を週に1日と決めておく形もあります。挟む動きは、手元の作業をひと区切りまで終えてから見に行く、などです。
アルニ習慣化アプリの「週◯回まで」
アルニ習慣化アプリは、App Store で公開しています。この記事の、週の上限で減らす形について、アプリで用意していることを紹介します。
- 自由入力で「週◯回まで」(1〜6回)を選ぶと、減らしたい習慣として記録できます。
- 上限を超えた週も、責めずに、その週の回数だけを表示します。
- 減らす習慣は、公開・AIコーチ・称号の対象になりません。
1週目は紙やメモで印をつけて数え、2週目から上限の回数を選んでアプリで記録する、という分け方もできます。画面ごとの使い方は、使い方ガイドで紹介しています。
よくある質問
悪い習慣をやめるには、何から始めればいいですか?
いきなりやめようとせずに、まず1週間、やめたい習慣をした日に印をつけて数える形があります。その数をもとに、次の週の上限を1つ少なく決め、きっかけの後に別の動きを1つ挟みます。
やめたい習慣を、上限より多くしてしまった週は、どうすればいいですか?
印は消さずに、した日の分だけつけます。次の週は上限を変えずに始め、2週続けてこえたときだけ、上限か挟む動きのどちらか1つを変えます。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、やめたい習慣をいきなりやめずに、1週目は、した日に印をつけて、きっかけを1語書き添えること。2つ目は、2週目から、週の上限を1つ少なく決め、きっかけの後に別の動きを1つ挟むこと。3つ目は、上限をこえた週も印を消さずに残し、変えるのは1つずつにすることです。