家計簿の予算は、使い道の目安
この記事では、ある期間に、使い道ごとに使ってよいと決めておく額の目安を、予算と呼びます。期間は、給料日から次の給料日の前日まで、のような、家計簿を区切るひと続きの日です。
予算は、守る枠ではなく、使うときに見る目安として置きます。予算があると、使う前に、この期間に、どのくらい使えるかを思い出しやすくなります。目安なので、決めた額をこえる週があっても、そこで記録をやめる理由にはなりません。決めた額と使った額の差は、次の期間の額を決めるときの手がかりになります。使った額が目安と違っていても、その期間の記録は、そのまま残しておきます。
予算は、これまでの記録があると決めやすくなります。記録がまだ少ないうちは、まず1つの期間をつけてみて、使った額を見てから決める形もあります。最初に置く額は仮のものとして扱い、合わなかった所は、期間の終わりに直していけます。期間の長さは、ふだん家計簿を区切っている形に合わせます。
予算は、手取りから順に引いて立てる
予算の決め方は、引き算の順番で考えると迷いにくくなります。期間に入る手取りから、先に引く分を順に引き、最後に残った額を週ごとに分けます。引く順を決めておくと、どの期間も同じ順で立てられ、期間ごとの額も並べて見やすくなります。
起点は、期間に入る手取り
予算の起点は、その期間に入ってくる手取りにします。差し引かれる前の額ではなく、実際に手元に届く額から始めると、引いたあとの残りが、そのまま使える額に近くなります。手取りの額は、給与の明細や、入った日の記録から確かめられます。
手取りが期間ごとに変わるときは、少なめだった期間の額に合わせておく形もあります。臨時に入ったお金は、収入として書いたうえで、起点には足さずに分けておくと、ほかの期間と並べて見やすくなります。起点の額は、最初に1回書いておけば、途中で数え直さずに進められます。起点を決めておくと、そのあとの段は、引くだけで進みます。
この段で決めるのは、起点にする額だけです。
決まって出ていく分を引く
次に、家賃や通信費のように、毎月決まって出ていく分を引きます。ここで引くのは固定費を合わせた額で、項目を1つずつ見直すことはしません。合計の額は、期間ごとに大きくは変わらないことが多いので、一度出しておくと、次の期間にも使いやすくなります。
どの支出を固定費に入れるかは、家計簿の固定費と変動費の分け方 ― 固定費の項目を決める3つの手順で紹介しています。額が毎回変わるものは、これまでに払った額から見込んで、その額で引いておきます。見込みと実際の額との差は、期間の終わりにまとめて見ます。
この段で決めるのは、引く固定費の合計だけです。
毎月ではない分を、取り分けて引く
続けて、年に一度の更新料や、服や家電の買い替えのように、毎月ではない支出の分を取り分けて引きます。来る月にまとめて払うと、その期間の残りだけが大きく減ります。毎月ではない支出は、来るまで忘れていることも多く、来た月にだけ大きく目に入ります。期間ごとに少しずつ分けておくと、どの期間も同じ形で立てやすくなります。この記事では、そのために前もって分けておく額を、取り分けと呼びます。
毎月ではない支出を1年分並べて、取り分ける額を決める形は、家計簿の特別費とは ― 1年分の項目と、積み立ての書き方で紹介しています。ここでは、決めた取り分けの額を、手取りから引くところまでを扱います。取り分けた分は、払う月が来るまで、週ごとに使う額には入れずに置いておきます。
この段で決めるのは、期間ごとに取り分ける額だけです。
残りを、期間の週の数で分ける
最後に、残った額を、期間の中の週の数で分けます。1週ぶんの額を、この記事では週予算と呼びます。期間の額をまとめて見るより、週ごとに見るほうが、今どのあたりにいるかをつかみやすくなります。週の終わりに、使った額と週予算を並べて見ると、次の週の始め方を決めやすくなります。
週の数で割り切れない端の日は、最後の週に入れます。週の数は、期間によって変わることがあるので、期間の始まりに数えておきます。週の始まりの曜日は、週末の買い出しの日など、暮らしの中で区切りのつく曜日に合わせます。ここで分けるのは、食べる・出かけるなど、日々の支出をまとめた1つの額です。週の始まりに、その週の額を書いておくと、使うたびに見返せます。
この段で決めるのは、週予算の額と、週の始まりの曜日だけです。
項目ごとの予算は、気になる1つから
週予算のほかに、項目ごとの予算を置くこともできます。ただ、全部の項目に置くと、決める額も見る額も増えます。ここでは、項目ごとの予算を足すときの置き方を、3つ挙げます。
- 項目ごとの予算は、気になる項目の1つから置きます。外での昼ごはんや友人との食事など、期間によって動きが大きいと感じるものを選びます。迷うときは、使ったあとで気になった回数が多いものから選びます。ほかの項目は、週予算の中にまとめたままにしておきます。
- 項目の予算も、週予算と同じように、週の数で分けて見ます。期間の額のままにしておくと、前半に使った分が、後半になるまで見えにくくなります。週に分けておくと、どの週で多く使ったかも、あとから見つけやすくなります。
- 2つ目の項目は、1つ目が期間を2回ほど通ってから足します。一度に増やすと、どの額が合っていなかったのかを、あとから見分けにくくなります。
項目ごとの額は置かなくても、週予算だけで立てられます。置くかどうかは、一度その形で期間を通してから、自分で決めてかまいません。週ごとの額だけで回しているうちに、気になる項目が見えてくることもあります。
こえた週、余った週、決め直す日
予算を立てたあとに迷いやすいのは、決めた額と使った額がずれた週です。扱い方を、前もって1つずつ決めておきます。扱いを決めておくと、こえた週も余った週も、同じ流れで次の週に移れます。
- こえた週も、使った額はそのまま書きます。次の週は、元の週予算から始めるか、こえた分を引いて始めるかを、どちらか1つに決めておきます。どちらを選んでも、立て方としては成り立ちます。先に決めておけば、こえた週のたびに、考え直さずに済みます。使った額が入ってきた額より多くなった月の書き方は、家計簿が赤字の月の書き方 ― 使いすぎた月を消さずに、落ち込まずに戻るで紹介しています。
- 余った週の分は、次の週に足すか、期間の終わりまで残しておくかを、1つに決めておきます。次の週に足すと、その週は使える額に少し幅ができます。残しておくと、期間の終わりに、こえた週の分と合わせて見られます。どちらを選んでも、余った分は、使わなかった額として記録に残ります。
- 予算を決め直すのは、期間の終わりに1か所だけにします。毎週の額は、途中では変えずに通します。ずれが続いた段を1つだけ選び、次の期間の額を直します。一度に全部を変えると、どこが合っていたのかが、分かりにくくなります。直した段とその理由を一言書いておくと、次に決め直すときに見比べられます。
アルニ家計簿アプリの「余白」と今週の目安
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、この記事の引き算の順番について、アプリで用意していることです。
- 給料日などから始まる期間ごとに、手取りから固定費と取り分けを先に引き、残りを「余白」として見せます。
- 金額が毎回変わる固定費は、これまでに入れた額の平均を見込みにできます(バージョン 1.6.0 から)。
- はじめの設定では、服や家電、年払いなど、毎月ではない出費の取り分けも案内します。
- ホームでは、余白のほか、1日あたりの目安・今週の目安・今日使った額を見られます(無料)。
アプリの画面では、「予算」という言葉は使っていません。決めた枠を守るための家計簿ではなく、固定費を先に引いたあとの、自分で使い道を決められるお金を見る、という考え方です。
よくある質問
家計簿の予算は、どうやって立てればいいですか?
期間に入る手取りから、毎月決まって出ていく固定費と、毎月ではない支出の取り分けを先に引き、残りを期間の中の週の数で分ける立て方があります。額はこれまでの記録をもとに決め、期間の終わりに1か所だけ見直します。
週予算をこえた週は、どうすればいいですか?
こえた週も、使った額はそのまま書きます。次の週を元の週予算から始めるか、こえた分を引いて始めるかを、前もって1つに決めておくと、そのたびに迷わずに済みます。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、予算を守る枠ではなく、使い道の目安として置くこと。2つ目は、手取りから決まって出ていく分と毎月ではない分を順に引き、残りを週予算に分けること。3つ目は、項目ごとの予算は気になる1つから置き、こえた週・余った週の扱いと決め直す日を、前もって決めておくことです。