家計簿での固定費と変動費の違い

家計簿では、自分で毎回決めずに出ていく支出を固定費、使うたびに自分で決める支出を変動費として分けます。

一般には、毎月ほぼ同じ額で出ていく支出を、固定費と呼ぶことが多くあります。ただ、額で分けようとすると、季節によって動く支払いを、どちらに置くかで迷いやすくなります。そこで、この記事では、出ていき方で分けます。額が月ごとに変わっても、決まった時期に、決まった先へ出ていくなら、固定費の側に置きます。家賃・通信費・サブスクは、こちらの側です。食費や日用品は、同じくらいの月が続いても、変動費の側に置きます。

どちらに置くかより、同じ支出を、毎月同じ側に置くことのほうが、記録を見返すときに効いてきます。置く側がそろっていれば、先月と今月の記録を、同じ並びのまま比べられます。反対に、ある月は固定費、別の月は変動費に書いた支払いがあると、並べて見ても、どこが違うのかを読み取りにくくなります。固定費を先に並べておく理由は、家計簿が続かない人向けの続けるコツで触れています。

固定費の項目を決める3つの手順

固定費の項目は、次の3つの手順で決めます。最初に一度決めておけば、毎月の記録で迷う場面が少なくなります。

手順1 決まって出ていく支出を拾う

まず、決まった時期に、決まった先へ出ていく支出を、思いつく順に拾います。

  1. 口座の引き落としの明細を、ひと月分たどる。
  2. カードの利用明細から、毎月同じ名前で出ている支払いを探す。
  3. 年に一度や、半年に一度の支払いを、思い出せる分だけ足す。

明細をたどるのは、ひと月分だけで済みます。毎月出ていく支払いは、どの月の明細にも、同じように並んでいるからです。年に一度の支払いは、ひと月分の明細には出てこないことが多いので、3つ目の項目で、思い出せる分を足します。

この段階では、支払いの名前だけを並べます。名前は、明細に出ている表記のままでかまいません。金額は、手順3で決めます。明細をたどると、ふだんは意識していない支払いが、いくつか見つかることもあります。拾い漏れがあっても、気づいた月から、項目を1つずつ加えられます。

手順2 1つの問いで、どちらかに分ける

拾った支出ごとに、「来月も、自分が何もしなくても出ていくか」と問い、出ていくなら固定費に置きます。

止めるのに手続きが要る支出は、何もしなければ、来月も出ていきます。そのため、固定費の側に入ります。買うかどうかを、その場で決める支出は、変動費の側です。たとえば、通信費は、何もしなければ来月も引き落とされるので、固定費に置きます。外食は、行くかどうかを自分で決めるので、変動費に置きます。項目の名前は、家賃・通信費・サブスク・光熱費・年会費のように、支払いの種類で付けておきます。種類で付けておくと、あとから拾った支出も、どの項目に入るかがすぐに決まります。

問いに答えにくい支出は、まず変動費の側に置きます。何か月か様子を見て、自分が何もしなくても出ていくとわかったら、そのときに固定費へ移します。最初から、すべてを決め切らなくても、記録は進められます。

回数券や定期券のように、まとめて買って、しばらく使う支出もあります。次に買うかどうかを、そのつど自分で決めるので、この記事の分け方では変動費の側です。

手順3 金額の書き方を、支出ごとに決める

固定費に置いた支出は、金額の出方を見て、書き方を決めておきます。

毎回同じ額で出ていく支出は、初めの月に書いた額を、次の月からも同じように置きます。額が毎回変わる支出は、項目だけを先に置いておきます。明細が届いたら、その月の分を書き入れます。届くまでのあいだは、項目だけが空いた形で並びます。空いた項目が目に入ると、明細が届く時期を思い出す手がかりにもなります。これまでの月の額を目安に、見込みの額を先に置いておく形もあります。その場合も、明細が届いたら、その月の額に書き換えます。

書き方を決めるのは、固定費に置いた支出だけです。変動費の側は、出ていくたびに、いつもどおりつけていきます。

毎回同じ額の支出でも、途中で変わることがあります。そのときは、変わった月から、新しい額を置きます。前の月までの分は、書き換えずに残しておきます。固定費の額が変わっていないかを、期間の終わりにまとめて確かめる流れは、家計簿の振り返り方 ― 月末に何を見て、次の月に何を残すかで紹介しています。

書き方を支出ごとに決めておくと、月の初めに、どこを埋めればよいかが見えます。年に一度などの支払いは、書き方が2つあるので、「年払い・半年払いの付け方」で取り上げます。

低い柵で3つに区切られた牧場に、1匹ずつ子羊が立つイラスト

迷いやすい支出の置き場所

手順2の問いで決めにくい支出を、3つ取り上げます。どれも、一度決めた側に、毎月同じように置きます。

光熱費・電気代は固定費か変動費か

光熱費は、毎月決まって出ていくので、この記事の分け方では固定費に置きます。 額は、季節によって変わります。手順3の「額が毎回変わる支出」として、項目だけを先に置き、明細が届いたら、その月の額を書きます。明細が翌月に届く場合は、届いた月に書くか、使った月に書くかも、どちらかにそろえます。届いた月に書くと、明細を見たその場で書き入れられます。使った月に書くと、使った季節と額の並びがそろいます。月をまたぐ支払いが、どの期間に入るかの区切りは、家計簿の締め日の決め方 ― 給料日始まりと1日始まり、どちらにするかで紹介しています。

光熱費を、変動費として扱う家計簿もあります。使った分だけ額が動く、という見方です。どちらを選んでも、間違いではありません。水道・電気・ガスを、1つの項目にまとめるか、分けて置くかも、最初に決めておきます。

年払い・半年払いの付け方

年払いの付け方は、払った月にそのまま書くか、毎月に分けて書くかの、どちらかに決めます。 年会費・更新料・年払いのサブスクなどが、ここに入ります。半年ごとの支払いも、同じ考え方で決めます。

払った月にそのまま書く形は、記録の手間が少なく済みます。その代わり、払った月だけ、出ていく分が大きく見えます。毎月に分けて書く形は、月ごとの記録が平らに見えます。その代わり、分けた額を、毎月置く手間があります。どちらの形でも、1年で書く合計は同じです。違うのは、どの月に、どれだけ見えるかです。

どちらにしたかは、項目の横に、ひとこと残しておきます。1年たって同じ支払いが来たときに、前の年と同じ形で書けます。年払いが重なって、出ていく分が多くなった月の書き方は、家計簿が赤字の月の書き方 ― 使いすぎた月を消さずに、落ち込まずに戻るで紹介しています。

ときどき出る、大きな支出

ときどき出る大きな支出は、固定費には入れず、変動費の中に、ひとことを添えて書きます。 家電の買い替え・冠婚葬祭・引っ越しなどが、ここに入ります。

こうした支出は、来月は出ていかないので、手順2の問いでは変動費の側になります。額が大きいと、別の置き場所を作りたくなることもあります。ただ、置き場所が増えると、どこに書いたかを探す場面も増えます。同じような支出が、毎年決まった時期に来ると分かっているなら、前もって見込んでおく形もあります。毎月は出ない支出を1年分並べて見込む形は、家計簿の特別費とは ― 1年分の項目と、積み立ての書き方で紹介しています。

ひとことを添えておくと、その月だけ多かった理由が、あとで見返したときにわかります。言葉は、「買い替え」「引っ越し」のような短い名前にします。支出の名前の横に、かっこでくくって書いておきます。

アルニ家計簿アプリでの固定費の扱い

アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、固定費の扱いについて、アプリで決めていることです。

どちらの側に置くかを一度決めたら、毎回考えずに済む形にしておく、という考え方です。

よくある質問

光熱費や電気代は、家計簿では固定費と変動費のどっちですか?

どちらに置いても、間違いではありません。この記事では、電気代などの光熱費を、毎月決まって出ていく支出として、固定費に置いています。額は季節で変わるので、項目だけ先に置き、明細が届いたら、その月の額を書きます。毎月同じ側に置くことが大切です。

年払いの支払いは、家計簿にどう付ければいいですか?

払った月にそのまま書くか、毎月に分けて書くかの、どちらかに決めます。払った月に書くと、記録の手間が少なく済みます。毎月に分けると、月ごとの記録が平らに見えます。どちらにしたかは、項目の横にひとこと残しておきます。

まとめ

要点は3つです。1つ目は、家計簿の固定費と変動費を、来月も自分が何もしなくても出ていくかどうかで分けること。2つ目は、固定費の項目を、拾う・分ける・金額の書き方を決める、の3つの手順で決めること。3つ目は、光熱費や年払いのように迷う支出も、一度決めた側に、毎月同じように置くことです。分け方がそろっていれば、あとで見返したときに、月ごとの記録を並べて読めます。