家計簿が赤字の月に起きやすいこと

この記事では、入ってきたお金より、出ていったお金が多かった月を、赤字の月と呼びます。

出ていく分が多かったと気づいたあとには、いくつかの形が出やすくなります。家計簿のページを、しばらく開かなくなる。合計を合わせようとして、前の日の記録を書き直す。一部の支出を、つけずに済ませる。どれも、その月を、なかったことにしたくなる動きです。開かない日が続くと、月の後半の支出が残りません。書き直した日は、実際に出ていった額と合わなくなります。つけずに済ませた支出は、あとで見返したときに、どこへ行ったのかがわからなくなります。性格や意志の強さの話ではなく、出ていく分が多い時期には、誰にでも起こりうることです。家電の買い替えと年払いが、たまたま重なるだけでも、そういう月は来ます。

赤字の月に止めた記録は、次の月の始まりまで、そのまま止まりやすくなります。この記事では、そういう月を、直す月ではなく、記録して閉じる月として扱います。

赤字の月の家計簿の書き方 ― 3つの時点

赤字の月の書き方を、気づいた日・月の終わり・次の月の初めの、3つの時点に分けました。

気づいた日にすること

赤字に気づいた日も、その日の分は、いつもどおりつけます。それまでの記録は、消さずに、書き直さずに置いておきます。気づいた日に足すのは、事実のひとことだけです。気づくのは、月の途中のこともあれば、月の終わり近くのこともあります。どちらでも、することは変わりません。

反省の言葉や、次はこうする、という決意は、ここには書きません。重い言葉が残っていると、次にそのページを開くことが、おっくうになりやすくなります。その日の支出の額に、色や記号を付けることもしません。合計を、その日のうちに計算し直すこともしません。合計を見るのは、月の終わりの時点です。

気づいた日のあとも、支出があれば、いつもどおりつけていきます。超えたあとの支出をつけずにいると、月の終わりの合計が、実際より少なく残ります。「ここで超えた」と書いておけば、月の終わりに記録を見返したときに、どの日を境に多くなったのかが、ひと目でわかります。メモの言葉は、あとで読んだ自分に、何があったかが伝わる程度で十分です。

書き方の例: その日のメモに「ここで、入ってきた分を超えた」とだけ書く。

月の終わりにすること

月の終わりには、合計をそのまま残し、多かった理由を一行で書いて、その月を閉じます。

理由は、事実の言葉で、ひとつかふたつに絞ります。書くのは、何に、どう出ていったかです。「気がゆるんでいた」のような、自分についての言葉は入れません。思い当たらないときは、その月の記録を、額の大きい順にいくつか見ていくと、見つけやすくなります。

書いた理由のあとには、それが「その月だけのこと」か、「毎年くり返すこと」かを、かっこで添えておきます。この添え書きが、次の月の初めにすることを決める手がかりになります。一行を書く場所は、その月の最後の行か、月のメモ欄のどちらかに決めておきます。毎回同じ場所にあれば、何か月分か並べたときに、理由だけを続けて読めます。

合計を合わせるために、数字を動かすことはしません。合計は、入ってきた分と出ていった分を、並べて残します。差の額を、別の行に書き足す必要もありません。入ってきた分を超えた合計が残っていても、それが、その月に起きたことの記録です。閉じたあとは、その月のページに、もう手を入れません。閉じるのは、月の最後の日でなくても、次の月の最初の支出を書く前であればかまいません。

書き方の例: 「家電の買い替えが重なった(その月だけ)」「年払いの支払いの月だった(毎年)」

次の月の初めにすること

次の月は、いつもと同じ項目と、同じつけ方で始めます。

前の月の記録は、前の月に置いたまま、新しい月の記録を始めます。前の月の理由の一行は、ここで一度だけ読み返します。新しい月の最初の行に、前の月のことを書き添える必要はありません。前の月の理由に「毎年」と添えたものがあれば、ここで1つだけ、置き場所を見直します。年払いのように、自分で手続きをしなくても引き落とされる支出は、固定費の並びに1つ足しておきます。来年の同じ月には、出ていく前から、並びの中に見えています。額がまだ決まっていなければ、項目の名前だけを足しておけます。固定費の並びへの足し方は、家計簿の固定費と変動費の分け方 ― 固定費の項目を決める3つの手順で紹介しています。

季節の服のように、毎年来るものの、払うかどうかやいくらにするかを自分で決める支出は、固定費には入れません。前もって見込んで、期間ごとに少しずつ取り分けておく形は、家計簿の特別費とは ― 1年分の項目と、積み立ての書き方で紹介しています。

「その月だけ」と添えた理由は、次の月の記録に持ち込みません。家電の買い替えのような支出は、来月はもう出ていかないからです。項目を増やしたり、つけ方を細かくしたりもしません。いつもと同じ形で始めた月は、前の月と、同じ物差しで見返せます。次の月の支出の合計は、次の月の分だけで数えます。週ごとに使う額の目安を決めている場合の、次の週の始め方は、家計簿の予算の立て方 ― 先に引く分を決めて、残りを週予算に分けるで紹介しています。つけること自体を軽くしたいときは、家計簿が続かない人向けの続けるコツも参考にしてください。

書き方の例: 次の月の最初の行は、いつもどおり、その日の支出から書く。

月の出た夜の丘で、刈った毛のそばに目を閉じて休む羊のイラスト

使いすぎた月に、落ち込まないための考え方

使いすぎた月の家計簿を見て落ち込むのは、記録をつけていたから、気づけたということでもあります。書く言葉を、責める言葉から、事実の言葉に置き換えます。置き換えても、書く事実は変わりません。変わるのは、次にそのページを開くときの、読み心地です。

家計簿は、その月の自分を採点する表ではなく、あとで見返すための控えです。

「ゼロか100か」で考えない見方は、三日坊主になる3つの原因と克服する方法 ― 「ゼロか100か」で考えない7つの工夫でも紹介しています。

アルニ家計簿アプリでの、使い切った期間

アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、余白を使い切った期間の見せ方について、アプリで決めていることです。

多く使った期間も、記録の1つとして残しておく、という考え方です。

よくある質問

家計簿が赤字の月は、どう書けばいいですか?

赤字に気づいた日も、その日の分はいつもどおりつけ、それまでの記録は消さずに残します。月の終わりには、合計をそのまま残し、多かった理由を一行で書いて閉じます。次の月は、いつもと同じ項目と、同じつけ方で始めます。

使いすぎた月の家計簿を見ると、落ち込みます。どう考えればいいですか?

「また使いすぎた」ではなく、「今月は、出ていく分が多かった」と、事実の言葉で書いてみてください。家計簿は、その月の自分を採点する表ではなく、あとで見返すための控えです。気づけたのは、記録をつけていたからです。

まとめ

要点は3つです。1つ目は、赤字の月も、記録を消さずに、いつもどおりつけ続けること。2つ目は、月の終わりに合計と多かった理由を一行で残し、次の月はいつもと同じつけ方で始めること。3つ目は、使いすぎた月を、責める言葉ではなく事実の言葉で書くことです。多く出ていった月の記録も、並べておけば、次の月を始める手がかりになります。