家計簿の特別費とは、毎月は出ない支出
この記事では、毎月は出ないが、1年のうちに出ると前から見込める支出で、払うかどうかやいくらにするかを、そのときに自分で決めるものを特別費と呼びます。年末年始や帰省の費用、誕生日の贈り物、季節の服や靴などが、これに当たります。どれも出ていく月は限られますが、その月が来ることは、前の年のうちから分かっています。毎月の記録だけを追っていると、この種の支出は、出ていった月になって初めて目に入ります。
自分で手続きをしなくても引き落とされる年払いは、特別費ではなく、固定費の側に置きます。特別費は、変動費の中から、毎月は出ないものを抜き出して、前もって見込んでおくための呼び名です。固定費と変動費の分け方や、年払いの付け方は、家計簿の固定費と変動費の分け方 ― 固定費の項目を決める3つの手順で紹介しています。
固定費と変動費の分け方は、払ったあとに、その支出をどちらの側に書くかを決めるものです。特別費は、払う前に、いつごろ、どのくらい出そうかを見込んでおくものです。見込みを立てておいても、払った支出は変動費として書き、記録の形そのものは変えません。分け方と見込みは、別々に決められます。
特別費として分けずに、変動費の中にそのまま書いていく形もあります。この記事では、出ていく前から、1年のどのあたりで出そうかを、見ておきたい人に向けた形を取ります。分けても分けなくても、払った支出をどこに書くかは同じです。
特別費の項目を、1年分並べる
特別費の項目は、1年分をまとめて並べます。1つの項目に残すのは、次の3つです。
- 項目の名前は、「帰省」「贈り物」のような短い言葉にします。ふだんの記録で使っている項目と、同じ名前にそろえなくてもかまいません。あとで見たときに、何の分かを思い出せれば、名前は短いままで足ります。
- 出る時期は、分かる項目だけ、月か季節で書きます。いつ出るかが決まらない項目は、「時期は決まらない」と書いておきます。季節で書いておくと、月が前後しても、その行を探しやすくなります。時期の決まらない項目も、時期と額の組み合わせで分けるときに、そのまま使えます。
- 額のめどは、前の年の記録があればそれを、なければ自分で決めた額を書きます。ほかの人の額に合わせる必要はありません。めどは、使ってみたあとで書き換えられます。
項目を思い出すときは、前の年の記録があれば、それを月の順にたどります。記録がなければ、季節を春から順に思い浮かべて、行事や贈り物、衣替えのころに出ていったものを拾います。行事の多い季節に、項目が集まることもあります。いっぺんに全部を出さなくてもよく、気づいた項目は、あとから足せます。
並べた項目は、ふだんの記録と同じ書く所の中に、1年分の並びとして1つにまとめておきます。書く所を1つのままにしておけば、取り分ける額を決めるときも、使った月に印を付けるときも、同じ所を開くだけで済みます。
時期と額の組み合わせで分ける
並べた項目は、出る時期と額が、前から分かるかどうかで、4つの組み合わせに分けられます。組み合わせごとに、毎月取り分ける額の決め方を変えます。
時期も額も、前から分かるもの
時期も額も前から分かるものは、1年分の額のめどを月ごとに分けた額を、取り分けます。年末年始の帰省や、決まった相手への誕生日の贈り物が、この組み合わせに入ります。4つの中では、決め方がいちばん簡単な形です。毎月同じだけ取り分けていけば、出る月が来る前に、その分がそろいます。
出る月が近くなってから取り分けを始めたときは、出る月までに残った月で分けます。贈る相手が変わったときは、1年分のめどを書き換えて、その月から取り分ける分を変えます。それまでに取り分けた分は、そのまま残します。相手が変わらないあいだは、月ごとに分けた額を変えずにおくと、毎月の行を、同じ形で残せます。
時期は分かり、額が動くもの
時期は分かるが額が動くものは、額のめどの上のほうに合わせて取り分けます。季節の服や靴、旅行や行楽は、ここに入ることが多いものです。出る季節は前から分かっていても、そのときに何を選ぶかで、出ていく分が変わります。旅行のように、行くかどうかから、そのときに決めるものも入ります。
上のほうに合わせておくと、出る月に、取り分けが足りなくなることが起きにくくなります。ここで言う上のほうは、前の年の自分の記録や、自分で考えた中から決めるもので、ほかの人の例に合わせるものではありません。上のほうをどこに置くかは、項目ごとに違っていて当然です。使った分がめどと違ったら、その違いは、次の1年のめどを決め直すときの材料にします。
額は分かり、時期が決まらないもの
額のめどはあるが時期が決まらないものは、長めの間で分けて、少しずつ取り分けます。家具や家電の買い替えは、この組み合わせの例です。いつ買い替えるかは、使っている物の具合で決まるので、何月と書いておくことができません。買い替えが近そうな物があれば、その項目から先に、取り分けを始めることもできます。
長めの間で分けておくと、毎月の取り分けが、一度に重くなりにくくなります。その1年のうちに出なかった分は、取り分けたまま、次の1年へ持ち越します。持ち越した分があるときは、次の1年のめどを決めるときに、その分を差し引いて考えます。持ち越しが続く項目は、そのまま次の買い替えを待つ形です。
時期も額も、決まらないもの
時期も額も決まらないものは、1つの項目にまとめて、少しずつ取り分けます。お祝いやお悔やみは、多くがこの組み合わせです。いつ、いくら出ていくかを前から決めておけないので、項目を分けずに、1つの取り分けで受けます。1つにまとめておくと、どの行事の分かを、分けて考えずに済みます。
取り分けた分を超えて出ていったときは、超えた分を、その月の変動費からそのまま払った形で書きます。取り分けを前の月にさかのぼって、書き直すことはしません。超えた分の書き方は、ふだんの変動費と変わりません。超えることが続いた項目は、次の1年のめどを決めるときに、上へ置き直すこともできます。
特別費の積み立ての書き方
積み立ては、決めた額を毎月取り分けていくことです。書き方は、次の3つの行に分けます。
- 取り分けた月は、「特別費へ」と書いた行を1行残し、その月の支出の合計には入れません。お金を実際に分けておくか、記録の上だけで分けておくかは、どちらでもかまいません。どちらにしても、残す行の形は同じです。
- 使った月は、ふだんの支出と同じ所に書き、行の横に「特別費」と印を付けます。支出として数えるのは、この使った月の1回だけで、取り分けた月には数えません。月の合計を見るときに、印のある行を分けて見ると、ふだんの月と並べて読みやすくなります。
- 1年に一度、項目ごとに、取り分けた額と使った額を並べます。並べる時期は、項目を1年分並べたころと同じにしておくと、続けて次の1年のめどを決められます。毎月の終わりに見返すのとは分けて、1年に一度だけ行う確かめです。
並べたときに、取り分けが足りなかったものや、残ったものがあっても、どちらが良かったかは考えずに、そのまま置きます。どちらの分も、次の1年の額のめどと、項目を足すか外すかを決めるときに使えます。残った分を、ほかの項目の取り分けに回すかどうかも、自分で決めてよいことです。回した分は、その月の「特別費へ」の行の横に、どこから回したかを書いておくと、あとで追えます。
特別費がいくつも重なって、入ってきた分を超えた月の書き方は、家計簿が赤字の月の書き方 ― 使いすぎた月を消さずに、落ち込まずに戻るで紹介しています。
「アルニ」が特別費で考えていること
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、毎月は出ない支出の扱いについて、アプリで用意していることです。
- 無料の範囲に、固定費や繰り返しの収入と並んで、取り分けがあります。
- 年払いの固定費は、1回の額を期間ごとにならして、取り分けておけます。
- 買い切りの「牧場をひろげる」には、「いつまでに いくら」を入れると、残りの期間で分けて取り分ける「たのしみの取り分け」があります。
毎月は出ない支出も、出ていく前から見えるようにしておく、という考え方です。
よくある質問
家計簿の特別費とは、何ですか?
毎月は出ないものの、1年のうちに出ると前から見込める支出です。帰省や贈り物、季節の服などが入ります。自分で手続きをしなくても引き落とされる年払いは、特別費ではなく固定費の側に置きます。
家計簿で、特別費の積み立てはどう書けばいいですか?
取り分けた月は、支出の合計に入れずに「特別費へ」の行を残します。使った月は、ふだんの支出と同じ所に書いて、行の横に特別費の印を付けます。支出として数えるのは、使った月の1回だけです。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、家計簿の特別費を、毎月は出ないが前から見込める支出として、変動費の中から抜き出しておくこと。2つ目は、項目を1年分並べ、時期と額が前から分かるかどうかの組み合わせで、毎月取り分ける額を決めること。3つ目は、取り分けた月は支出に入れず、使った月にだけ印を付けて書くことです。額のめどが外れても、次の1年のめどを決める手がかりとして使えます。