家計簿の立て替えとは、誰かの分の支払い
この記事では、誰かの分を自分が先に払い、あとで返してもらうお金を、立て替えと呼びます。何人かで食事をして、会計を自分がまとめて払ったときが、その例です。贈り物を何人かで出し合うときに、自分が代わりに買う形も、立て替えの1つです。どちらも、払う場では財布から全額が出ていき、ほかの人の分は、あとから戻ってきます。
立て替えた日に、財布や手元から出ていく額と、その日の自分の支出は、同じではありません。出ていく額には、ほかの人の分が入っているからです。ほかの人の分は、相手から戻るまでのあいだ、手元から一時的に離れているだけで、自分のために使ったお金とは別のものです。全額をそのまま自分の分として見ると、その月を見返したときに、使った分が実際より膨らんで見えます。
返ってくるのがその日のうちなら、自分の分だけを書いて終える形もあります。払ったことと戻ったことを、同じ日の中で書き終えられるからです。この記事では、払った日から返ってくるまでに、何日かあく場合を扱います。日があくと、そのあいだに別の記録が重なって、どの分がまだ戻っていないのかが、見えにくくなります。書き方を先に決めておけば、何日あいても、払った日と同じ形のまま進められます。
立て替えの付け方を、先に1つに決める
立替金の付け方は、主に2つあります。どちらでも記録として成り立つので、先に1つに決めておきます。
- 払った日は自分の分だけを支出にして、ほかの人の分は「立て替え」の行にしておく付け方です。「立て替え」の行は、支出としては数えずに、別に置いておきます。返ってきた日には、その行を、返ってきた分だけ消すか、印を付けます。払った日から数えるのは、自分の分だけになります。
- 払った日は全額を支出にして、返ってきた日に、戻ってきたお金として書く付け方です。払った日の記録は、全額の1行で済みます。返ってくるまでの間は、その月の支出が、自分の分より多く見えます。戻ってきたお金の分を差し引くと、自分の分だけが残る形です。
どちらにするかは、手間をかける日を、払った日と戻った日のどちらにするかで選べます。1つ目の付け方は、払った日に行を分ける手間がある代わりに、戻るまでの間も、自分の分がそのまま見えます。2つ目の付け方は、払った日が1行で済む代わりに、戻った日に書くことが1つ増えます。1件ごとに付け方を変えると、あとで見返すときに迷いやすくなるので、続けるあいだは1つにそろえます。
迷うときは、払った日に、その場で行を分けられそうかどうかを考えてみると、選びやすくなります。行を分ける時間がとりにくい日が多ければ、2つ目の付け方のほうが続けやすいことがあります。
どちらの付け方でも、全額が返ってきたあとの自分の支出は、同じになります。違うのは、返ってくるまでの間の、記録の見え方だけです。返ってくるのが次の月になるときは、2つの月を合わせて見たときに、そろいます。
1件の立て替えを、払った日から追う
ここからは、何人かでの食事の会計を、自分がまとめて払った1件を例にします。2つの付け方のそれぞれで、書き方がどう進むかを追います。
会計をまとめて払った日
払った日には、払った全額と、そのうちの自分の分を、分けておきます。1つ目の付け方では、自分の分を食費など、ふだんの項目に書き、ほかの人の分を「立て替え」の行にします。2つ目の付け方では、全額をふだんの項目に1行で書きます。どちらの付け方でも、メモに「立て替え」と相手の呼び名を残しておくと、返ってきた日に、その行を見つけやすくなります。ほかの人の分をいくらにしたかも、メモの中に残しておくと、戻ってきた額と並べて確かめられます。自分の分がきれいに割り切れないときは、だいたいの分で書いておけば、記録として使えます。
返ってくるまでの間
返ってくるまでの間は、まだ返ってきていない立て替えが、どれかを見えるようにしておきます。1つ目の付け方では、「立て替え」の行がそのまま残っているので、その行を見れば分かります。2つ目の付け方では、全額の行の横に「立て替え」と書いておけば、あとで拾いやすくなります。先に払った分が何件か重なっているときも、それぞれに相手の呼び名があれば、どれが残っているかを分けて見られます。1つ目の付け方のまま、財布や手元のお金と記録を合わせると、まだ戻っていない分だけ、開きが出ます。この開きは、記録が欠けているからではなく、その分が手元を離れているためです。その分を除いても、記録と手元のお金が合わないときの探し方は、家計簿が合わない原因の探し方 ― 差額の向きと大きさで見当をつけるで紹介しています。
返ってきた日
返ってきた日には、返ってきた分を、決めておいた付け方のとおりに書きます。1つ目の付け方では、「立て替え」の行を、受け取った分だけ消すか、印を付けます。この行は、支出にも、入ってきたお金にもしません。2つ目の付け方では、戻ってきたお金として1行書き、入ってきたお金とは分けておきます。一部だけを受け取った日は、その分だけを同じように書き、残りの分は、消さずに残しておきます。何人かから別々の日に返ってくるときは、その人の分ずつ、同じことをくり返します。受け取ったのが次の月になったときは、全額を支出にしていれば、払った月の支出が多いまま、次の月に戻ってきたお金が入る形になります。どちらの月の記録も、そのまま残します。2つの月を合わせて見ると、自分の分だけになります。
返さなくていいと決まった日
返さなくていいと決まった分は、その日に、自分の支出として書き直します。1つ目の付け方では、「立て替え」の行を、人と会うときに使う項目など、ふだんの項目の支出に移します。2つ目の付け方では、払った日の行がすでに全額なので、そのままにしておきます。相手と話して決まったときも、自分で決めたときも、書き直し方は同じです。書き直すときは、払った日の行を直す形と、決まった日の記録として新しく残す形があり、どちらでも記録として成り立ちます。あとで読み返して、どこで支出が増えたかが分かるように、メモに「返さなくていい」と、短く残しておく形もあります。
立て替えに入れるもの、入れないもの
誰かの分が混ざる支払いでも、立て替えとして書くものと、そうでないものがあります。分け方は、あとで返ってくるかどうかの1つです。
- 会計のときに、それぞれが自分の分を払う割り勘は、自分の分だけを支出に書きます。手元から出ていくのがその分だけなので、立て替えにはなりません。
- 贈り物を何人かで出し合い、自分がまとめて買うときは、立て替えとして書きます。ほかの人の分は、あとで返ってくるお金です。出し合う人が多いときは、誰の分が戻ったかを、相手の呼び名で残しておくと追いやすくなります。自分の分は、ふだん贈り物を書いている項目に入れます。
- 家族に頼まれた買い物で、返してもらわないと決めている分は、自分の支出に書きます。返ってこないと先に分かっていれば、立て替えの行は作りません。返してもらうかどうかは、その都度、自分で決められます。
1回の会計の中に、割り勘と立て替えが混ざることもあります。そのときも、見るのは、あとで返ってくる分があるかどうかだけです。その場でほかの人が払った分は、自分の手元を通らないので、記録には入れずに済みます。
先に払った方法と、返ってくる方法が違うときの書き方は、キャッシュレスの家計簿のつけ方 ― 現金と混ざっても二重にならない書き方を参考にしてください。
「アルニ」が立て替えで考えていること
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、誰かの分が混ざる支払いについて、アプリで用意していることです。
- 無料の範囲で、支出と入ってきたお金のほかに、戻ってきたお金も分けて記録できます。
- 立て替えの記録も、無料の範囲に入っています。
- 1回の支払いを、カードと現金など2つに分けて書ける「2つで払う」も、無料で使えます。
誰かの分が混ざっても、自分の支出がどれかを、あとから見て分かるようにしておく、という考え方です。
よくある質問
家計簿で、立替金は支出に入れますか?
自分の分だけを支出にして、ほかの人の分は立て替えの行にしておく付け方と、全額を支出にして、返ってきた日に、戻ってきたお金として書く付け方があります。どちらでも、返ってきたあとの自分の支出は同じになります。
家計簿で、立て替えた分が返ってきたら、どう付ければいいですか?
決めておいた付け方のとおりに書きます。立て替えの行を作っていれば、その行を返ってきた分だけ消すか印を付けます。全額を支出にしていれば、戻ってきたお金として1行書きます。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、立て替えた全額と、自分の分を分けて考えること。2つ目は、自分の分だけを支出にするか、全額を支出にして、返ってきた日に戻ってきたお金で書くかを、先に1つに決めること。3つ目は、返ってくるまでの間、まだ返ってきていない立て替えを、見えるようにしておくことです。返さなくていいと決まった分は、その日に自分の支出として書き直せます。