キャッシュレスの家計簿のつけ方の基本
キャッシュレスの家計簿では、お金が出ていく日が、払い方ごとに違います。
現金は、払ったその場で、財布から出ていきます。カードの多くは、使った日と、口座から引き落とされる日が離れます。電子マネーは、先にチャージした日と、実際に使った日が離れます。コード決済は、お金が出る元の設定によって、ここまでのどれかに近い動きになります。紙のレシートが出ない払い方もあり、あとから頼れるのが、手元の利用の履歴だけになることもあります。払い方によって、記録の手がかりが残る場所も、残る時期も変わります。どの払い方が記録に向いているかは、ここでは比べません。
この記事では、払い方にかかわらず、使った日に、使った額を、1回だけ書くことを基本にします。書く日を「使った日」にそろえておけば、払い方が混ざっても、1日の記録を1本の並びで読めます。引き落としの日やチャージの日を基準にすると、同じ日の買い物でも、払い方によって、別々の日に並びます。カードの分は、使った月の次の月や、その次の月に並ぶこともあります。使った日に書いておけば、あとで見返したときに、その日に何があったかを、そのまま追えます。どこから払ったかは、日付ではなく、このあと書く添え書きのほうで残します。
現金と混ざるときに、迷いやすい3つのこと
現金とキャッシュレスが混ざった家計簿で、迷いやすい点を3つ取り上げます。どれも、記録の形を少し変えるだけで、ほどけます。
迷いやすい点1 明細があれば、記録は要らないか
明細は、記録の代わりではなく、あとで照らし合わせるための控えとして使います。明細や利用の履歴には、いつ、どこで、いくら払ったかは残ります。けれど、それが食費だったのか、日用品だったのかまでは、残らないことが多くあります。店の名前だけでは、あとから見たときに、何を買ったのかを思い出せないこともあります。履歴に出る名前が、店の看板の名前と違って見えることもあります。履歴に出るまでに日がかかる払い方もあり、月をまたいでから出てくることもあります。そのため、使った日に、額と項目だけを短く書いておきます。短く書いた記録と、あとで届く明細を並べれば、項目と額の両方がそろいます。
届いた明細から、まとめて書く形を選ぶ人もいます。明細をそのまま写せるので、書く回数が少なくて済むと考えるのは自然です。その形でも、記録は残せます。気をつけたいのは、同じ払い方で、使った日に書く形と、明細から書く形の、両方をしてしまうことです。両方すると、同じ支出が、記録の上に2回並びます。たとえば、カードは使った日に書き、コード決済は利用の履歴から書く、というように、払い方ごとに分けるのはかまいません。同じ払い方の中では、書き方を1つにそろえます。
迷いやすい点2 支払い方法ごとに、項目を分けるか
支払い方法は、項目にはせず、項目とは別に、ひとこと添えます。項目は「何に使ったか」を表し、支払い方法は「どこから出ていったか」を表します。この2つは、別の軸です。
「カード」という分け方を作ると、同じ食費が、カードの欄と食費の欄に分かれて並びます。そうなると、ひと月の食費の合計が、足し直さないと読めなくなります。払い方で分けておきたくなるのは、明細と見比べるときに、探しやすいからです。その見比べは、添え書きで間に合います。添え書きなら、何に使ったかの並びは1本のまま、どこから出たかも読めます。
書き方の形は、「食費(カード)」「日用品(現金)」のように、項目のあとに、かっこで添えます。かっこに入れる名前は、自分がふだん使っている払い方の分だけにします。使っていないものまで、はじめから用意しておく必要はありません。新しい払い方を使い始めたら、そのときに、名前を1つ足します。同じ払い方を、記録ごとに違う呼び方で書くと、あとで見比べにくくなるので、呼び方は1つに決めておきます。こうしておくと、週に1回の照らし合わせで、どの控えと比べればよいかが、すぐにわかります。
迷いやすい点3 チャージや引き落としも支出か
書く支出は、使ったときの1回だけです。チャージ・カードの引き落とし・現金の引き出しは、お金の置き場所が移っただけとして扱います。
- 電子マネーにチャージしたときは、支出として書きません。使ったときに、使った項目で書きます。チャージした日に支出として書く形を選んだときは、使ったときには書かず、どちらか一方にします。カードの明細から書く形のときは、明細に出るチャージの行も、支出ではなく移動として扱います。
- カードの代金が引き落とされた日は、支出として書きません。使った日に書いてあれば、引き落としは、同じお金がもう一度見えているだけです。カードから毎月出ていくサブスクのような支払いは、固定費の側に置いておけば、使った日を毎回書かずに済みます。固定費の側への置き方は、家計簿の固定費と変動費の分け方 ― 固定費の項目を決める3つの手順で紹介しています。
- 口座から現金を引き出したときも、支出として書きません。引き出したお金は、口座から財布へ移っただけです。財布の現金で何かを買ったときに、その日の日付と、使った項目で書きます。
置き場所の移動まで支出に数えると、同じお金が二重に並び、合計が実際より大きくなります。移動を残しておきたいときは、支出とは別に、「財布へ移した」のようなメモとして残す程度にします。メモは合計に入れず、お金の通り道をたどるときの手がかりにだけ使います。移動のメモには、項目も添え書きも付けずに、どこからどこへ、いくら移ったかだけを書きます。
週に1回、明細と財布を照らし合わせる
週に1回、決めた曜日に、払い方ごとの記録を、明細と財布の中身に照らし合わせます。曜日と、その日のどのあたりで行うかを、先に決めておきます。そうすると、その週の記録を閉じる場面が、毎週同じ形でやってきます。毎日書くのは、使った日の短い記録だけです。照らし合わせは週に1回にまとめて、毎日の分とは役割を分けます。毎日すべてを確かめようとすると、書くこと自体が重くなりがちです。曜日を決めるときは、その曜日に毎週している、ほかのことのあとに続けて置くと、思い出しやすくなります。
- 現金以外の払い方は、利用の履歴を1週間分たどり、書き漏れがあれば、使った日の日付で足します。履歴には出ているのに、記録に無い支出が見つかったら、その日の並びに戻して書きます。履歴に出た日ではなく、使った日に足すので、1日の並びは崩れません。
- 現金は、財布の中の残りと、記録の上の残りを比べます。記録の上の残りは、前の週の財布の残りに、引き出したメモの額を足し、現金で書いた支出を引いた額です。合わないときの扱いは、家計簿が続かない人向けの続けるコツで触れています。
- チャージや引き落とし、引き出しが、支出として入っていないかを確かめます。入っていたら、その行を支出から外し、置き場所の移動のメモに移します。合計は、外したあとの額で読みます。移動のメモと支出の行が、同じ日に並んでいるときは、とくに重なりやすくなります。
照らし合わせは、記録のもれと重なりを直すためのもので、その週の使い方を振り返って評価する場ではありません。曜日は、明細がまとまって届く時期に合わせる必要はなく、毎週同じであることのほうを先にします。済んだ週の記録は、そのまま置いておき、翌日からはまた、使った日の短い記録に戻ります。
「アルニ」が支払いの記録で考えていること
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、支払いの記録について、アプリで決めていることです。
- 記録は、カテゴリ別のほかに、支払い方法別でも見られます。
- よく使う支出は、「いつもの」から1タップで記録できます。
- 無料の範囲に、「財布の残りと合わせる」機能があります。電子マネーやコード決済などの額も、アプリに出ている額を入れて、同じように合わせられます(現金以外は「牧場をひろげる」)。
記録は、自分で入れる形です。払い方がいくつあっても、記録は1か所に、使ったときの1回だけ残す、という考え方です。
よくある質問
キャッシュレスと現金が混ざると、家計簿はどうつければいいですか?
どの払い方でも、使った日に、何に使ったかの項目で、1回だけ書きます。支払い方法は項目にせず、「食費(カード)」のように、ひとこと添えます。週に1回、明細や財布の中身と照らし合わせて、書き漏れを足します。
電子マネーのチャージや、カードの引き落としは、家計簿に書きますか?
使ったときに書いているなら、チャージや引き落としは、支出として書きません。お金の置き場所が移っただけだからです。チャージした日に支出として書く形を選んだときは、使ったときには書きません。どちらか一方に決めると、二重に数えずに済みます。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、キャッシュレスでも現金でも、使った日に、使った項目で、1回だけ書くこと。2つ目は、支払い方法を項目にせず、項目とは別にひとこと添えること。3つ目は、チャージや引き落とし、引き出しを支出に数えず、週に1回、明細と財布に照らし合わせることです。書く日と書く場所がそろっていれば、払い方が増えても、記録は1本の並びのまま続けられます。