家計簿が合わない時に、見る2つのこと
この記事では、財布や口座の中身と、記録から出した中身の額が違うことを、合わないと呼びます。その違いの額を、差額と呼びます。ある期間に入ってきたお金と、出ていったお金の差とは、別のものとして扱います。
記録から出した中身は、前に中身がそろっていた日の額から始め、その後に入れたお金を足し、書いた支出を引いて出します。そろっていた日とは、財布のお金を数えたり、口座の額を見たりして、記録の額と同じだと確かめた日のことです。そろっていた日がはっきりしないときは、今日の中身の額を、新しい始まりにしてかまいません。
差額が出たら、探し始める前に、向きと大きさの2つを見ます。向きは、中身が記録より少ないのか、多いのか。大きさは、1件の買い物ほどなのか、端数ほどなのかです。2つが分かると、先に見る所が絞られます。書いた行を初めから全部たどらなくても、見当がつきやすくなります。
合わないことは、記録を続けていれば、どこかで起きることがあります。合わないままだと、気持ちが落ち着かないこともあります。差額があることより、どこから出たかの見当がつかないことのほうが、手を重くしやすいものです。この記事では、合わせ切ることよりも、見当をつけて次へ進むことを先にします。
差額の向きと大きさで、見当をつける
差額の形を4つに分けて、それぞれで先に見る場所を並べます。前の2つは向き、あとの2つは大きさの形なので、それぞれ当てはまる方を読んでください。
中身が、記録より少ないとき
中身が記録より少ないときは、出ていったのに、書いていない支出を探します。よくあるのは、出先で飲み物を買うような、レシートの出ない小さな支払いです。書かずに過ぎやすいのは、出かけた日や人と会った日のように、ふだんと違う日です。そうした日の前後から、先に見ていく形もあります。誰かの分を立て替えて払ったときも、自分の支出ではないからと、書かずにいることがあります。立て替えた分は、どの項目に入れるかより、払ったことがどこかに残っているかを見ます。財布から出して、別の所へ移したお金も、書いていなければ、少ない向きの差額になります。
中身が、記録より多いとき
中身が記録より多いときは、書いたのに出ていっていない支出か、入ってきたのに書いていないお金を探します。同じ買い物を、レシートとメモの両方から書いて、2回並べていることがあります。2回並んだ行は、日付と額が同じで、メモの書き方だけが違っていることもあります。分けて書いた行と、その合計の行を、両方とも残しているときも同じです。先に書いておいたのに、結局は買わなかった物の行が、そのまま残っていることもあります。立て替えた分を返してもらったときや、口座から引き出して財布に足したときも、記録に残らないままのことがあります。返してもらった分は、戻ってきたお金として書く形があります。
差額が、1件の額と同じとき
差額が、ある1件の額とちょうど同じなら、その額の記録の前後を見ます。1件の額と同じ差額は、4つの中でも、探す所をいちばん絞りやすい形です。多い向きなら、同じ額の行が、同じ日か近い日に2回並んでいないかを確かめます。少ない向きなら、その額の買い物をした覚えのある日に、書いた行があるかをたどります。差額が、2つの支出を足した額と、同じになっていることもあります。当てはまる行が見つかったら、余分な行を消すか、書いていなかった行を使った日の日付で足せば、差はそれで消えます。
差額が、端数ほどのとき
差額が端数ほどなら、金額を丸めて書いたことから出る差として扱います。丸めて書いていると、1件ごとの小さな差が、日を重ねるうちに積もっていきます。端数ほどの差は、行を順にたどっても、どこから出たかが見つからないことが多いものです。気になるときは、レシートのある支出をいくつか選び、書いた額と並べてみると、丸めた差のおおよその大きさをつかみやすくなります。この形をどこまで探すかは、あとで書く3つ目の線で、先に決めておけます。
口座の中身と合わないときは、カードのように、使った日と、口座からお金が出る日が離れる払い方がないかを、先に見ます。使った分がまだ引き落とされていないと、中身が、記録より多く見えることがあります。この形の差額は、時期がずれているだけのことが多く、次に確かめるときには消えていることがあります。すぐには探さずに、1回待ってから見る形もあります。使った日に書く考え方は、キャッシュレスの家計簿のつけ方 ― 現金と混ざっても二重にならない書き方で紹介しています。
どこまで探すかの線を、先に決める
探し始める前に、どこまで探したら終わりにするかの線を、3つ決めておきます。線があると、見つからないときにも、手を止める所がはっきりします。
- 探す日付は、前に中身がそろっていた日から、今日までにします。そろっていた日より前は、その日までに合っていたので、たどらなくて済みます。日付の範囲が決まると、見る行の数もおのずと決まります。
- 探す手がかりは、手元のレシート、利用の履歴、自分のメモの3つにします。3つを1回ずつ見て、それでも見つからなければ、記憶をたどり続けることはしません。レシートを残していない日の分は、利用の履歴とメモの2つで見ます。思い出そうとする時間が長くなるほど、次につけるのが重く感じられやすくなります。
- 差額がどの大きさより小さければ探さないかを、自分で決めておきます。どこに線を引くかは、暮らしや使い方によって違うので、この記事では額を示しません。線を決めておくと、小さな差に時間を取られにくくなります。前の節で触れた端数ほどの差は、この線の内側に入れておく形があります。
3つの線の内側を一度見て、見つからなければ、そこで探すのを終わりにします。線は、つけているうちに変えてもかまいません。変えるときは、次に確かめる日から新しい線を使うと、確かめるたびの探し方がそろいやすくなります。
見つからない差額は、1行にして次へ
見つからなかった差額は、確かめた日の日付で、「差額」という名前の1行にして残します。たとえば、中身が少ない向きなら支出の側に、多い向きなら入ってきたお金の側に書く形があります。名前を「差額」にそろえておくと、あとで見返したときに、どの行がそろえ直した分なのかが、分かりやすくなります。
この1行は、使途不明金と呼ばれることもあります。1行を書くと、記録から出した額と、実際の中身がそろいます。次に確かめるときは、この日を始まりにして比べられます。向きと、どの線まで見たかは、その行のメモに短く添えておきます。
差額を、過ぎた日に少しずつ割り振ることはしません。どの日に出た差なのかが、はっきりしないためです。ほかの記録の額を変えて、合うようにすることもしません。差額の大きさを、その期間の良し悪しとして受け取る必要もありません。
あとからレシートが出てくるなどして、原因が分かることもあります。そのときは、書いていなかった支出は使った日の日付で書き足し、2回書いた行は消して、差額の1行を同じ額だけ小さくします。全部が分かったら、1行を消します。同じ向きの差額が続けて出るときは、2つ前の節で並べた4つの形に戻り、先に見る所を確かめ直します。
何日も続けてつけていなかったあとに、まとめて戻るときの考え方は、家計簿が続かない人向けの続けるコツ ― ざっくりつけて挫折しない4つの決めごとで触れています。
差額の1行は、記録の誤りの印ではなく、その日に中身をそろえ直したという記録です。
「アルニ」が合わない日に考えていること
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、財布の中身と記録を合わせることについて、アプリで用意していることです。
- 無料の範囲で、支出のほかに、入ってきたお金と戻ってきたお金も記録できます。
- 立て替えの記録と、「財布の残りと合わせる」機能も、無料の範囲にあります。
- 電子マネーやコード決済などの額も、アプリに出ている額を入れて、財布と同じように合わせられます(現金以外は「牧場をひろげる」)。払い方ごとに中身と比べられるので、差額がどの払い方から出ているかの見当もつけやすくなります。
- 1回の支払いを、カードと現金など2つに分けて記録できます(「2つで払う」、無料)。払い方ごとの中身と比べるときに、1件を分け直さずに済みます。
- Siri・ショートカットから、記録の画面をすぐ開けます。iOS 18 からは、コントロールセンターとアクションボタンにも「記録する」を置けます。レシートの出ない小さな支払いを、その場で書きやすくするためです。
- 設定は項目ごとの画面に分かれ、記録の画面ではカテゴリに色が付きます。見返すときに、どのカテゴリの行かを見分けやすくしています。
- 買い切りの「牧場をひろげる」では、「置き場所の残りメモ」で、財布や口座の残りと、そこから出る引き落としを並べて見られます。固定費の引き落とし予定を、iPhone のカレンダーに入れることもできます。使った日と、口座からお金が出る日のずれを、先に見ておけます。
合わない日があっても、その日から記録を続けられるようにしておく、という考え方です。
よくある質問
家計簿が合わない原因は、何から探せばいいですか?
探し始める前に、差額の向きと大きさを見ます。中身が記録より少なければ、書いていない支出や立て替えた分を、多ければ、2回書いた支出や書いていない戻ってきたお金を探します。差額が1件の額と同じなら、その額の記録の前後を見ます。
家計簿が合わない時、見つからない差額はどうすればいいですか?
探す日付・手がかり・差の大きさの線を先に決め、その内側を一度見て見つからなければ、確かめた日の日付で「差額」という1行にして残します。ほかの記録の額は変えず、次からはその日を始まりにして比べます。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、家計簿が合わない時は、探し始める前に、差額の向きと大きさを見て、原因の見当をつけること。2つ目は、探す日付・手がかり・差の大きさの3つの線を先に決めて、その内側だけを探すこと。3つ目は、見つからない差額を、確かめた日の1行にして残し、ほかの記録を変えずに次へ進むことです。差額の1行を書いた日から、また中身と記録をそろえて始められます。