家計簿の振り返り方の基本
この記事では、家計簿の期間の最後の日を月末と呼びます。1日始まりなら暦どおりの月の最後の日、25日始まりなら24日が月末です。
振り返りは、その期間の記録を、次の期間に入る前に一度だけ見る時間です。毎日の記録は1件ずつ書き足す時間で、月末は、たまったものをまとめて見る時間です。見るものが決まっていないと、そのたびに目が向く所が変わり、前の期間と同じ形で並べにくくなります。毎回同じ所を見ていれば、違いのある所が、探さなくても目に入ってきます。
振り返りで見るものは、4つに決めておきます。見る順番も毎回同じにすると、月末に考えることが減り、記録をつけるのと同じように続けやすくなります。4つのうち3つは、記録の中にすでにあるもので、新しく書くのは、最後の1行だけです。その3つは、すでにある記録を見返すことが中心なので、月末の時間を短く保ちやすくなります。4つの中身は、次の節で順に書きます。
月末の振り返りを、4つの流れで追う
月末の振り返りは、次の4つの流れで進めます。
- 記録の抜けを確かめる
- 入ってきたお金と、出ていったお金の合計を並べる
- 項目ごとの合計を、多い順に見る
- 次の期間へ、1行だけ残す
上から順に見ていくと、最後の1行を書くころには、その期間のことがひととおり目に入っています。
まず、記録の抜けを確かめる
最初に、期間の中で記録の無い日が続いていないかを、日付の並びで確かめます。お金を使わない日もあるので、見るのは、何日も空いている所だけです。抜けがあると、このあとに見る合計が、本来の額より小さく出ます。つけ始めて間もない時期は、抜けが多く見えることもありますが、見る順番は同じです。
手元のレシートや利用の履歴で思い出せる分は、使った日に合わせて書き入れます。その日の予定を見返すと、使った場面が浮かぶこともあります。手がかりの無い分は、そのままにして先へ進みます。思い出せない分の扱いは、家計簿が続かない人向けの続けるコツ ― ざっくりつけて挫折しない4つの決めごとで紹介しています。
抜けを確かめるのは、記録を直すための作業ではなく、合計を見る前の準備です。つけ忘れは、続けていれば誰にでも出てくるものです。ここで手を止めすぎないほうが、残りの3つまで進みやすくなります。
次に、2つの合計を並べる
次に、その期間に入ってきたお金の合計と、出ていったお金の合計を、2つ並べて見ます。ここでは並べるだけにして、差を良いとも悪いとも決めません。2つの数が隣に並んでいれば、どちらが多かったかは、見ただけでわかります。手で足し上げるのが手間なら、記録の道具にある集計の画面を見るだけでも十分です。2つの差を計算して、どこかに書き残すことも要りません。
入ってきたお金が、期間の中で何回かに分かれているときも、まとめて1つの合計にします。2つの数を毎回同じ形で並べておけば、次の期間に並べたときに、前との違いが目に入ります。出ていったお金のほうが多かったときの書き方は、このあとの節の終わりで紹介します。
続けて、項目ごとの合計を多い順に見る
続けて、項目ごとの合計を多い順に並べ、上から3つの項目の名前を見ます。ここで読むのは、金額の大きさではなく、どれが上に来たかです。手で書いている人は、多いほうから3つだけを拾い出せば済みます。前の期間と並びが同じなら、その期間は、いつもの形だったということです。並びが違っていれば、その期間に何があったかを、思い出す手がかりになります。思い出すだけで、そのことを書き留める必要はありません。
上から3つより下は、毎回は見ないことにします。見る所を広げると、そのぶん月末の時間が長くなるためです。家賃などの固定費は、毎回ほぼ同じ額で、上のほうに並ぶことが多いものです。額が変わったときだけ、目に留めておきます。項目の分け方を途中で変えた期間は、並びが違って見えることがあるので、分け方を変えたことも一緒に覚えておきます。
最後に、次の期間へ1行だけ残す
最後に、次の期間に持っていきたいことを、1行だけ書いて残します。書くのは、この先に起きると分かっていることや、ここまでで変わったことです。たとえば、「次の期間は、年払いの引き落としがある」や、「固定費が1つ増えた」のような1行です。金額をいくらにするかや、何かをやめるという決意は、書かずにおきます。あとで読み返すときに、重く感じやすいためです。1行は、文の形になっていなくても、「年払い」のような言葉だけでもかまいません。
書く場所は、毎回同じにしておきます。新しい期間の最初の記録の近くや、メモ欄のように、月末に開く所に置くと、見落としにくくなります。前の月末に書いた1行が、次の期間にも関わるなら、書き写して残しておきます。この1行が、次の月末に最初に読むものになります。
振り返りで、しないこと
振り返りを続けやすくするために、月末の時間にはしないことも決めておきます。
- ほかの人の家計簿の数字とは並べません。暮らし方も、入ってくるお金の形も、人によって違います。同じ項目の名前でも、中に入るものが人ごとに違うこともあります。並べても、次の期間の手がかりにはなりにくいので、並べる相手は、自分の前の期間だけにします。人の数字が気になったときも、月末の時間とは分けておきます。
- 前の期間より多いか少ないかで、良し悪しを決めません。多い・少ないは、そう見えたこととして受け取るだけにします。良し悪しを決め始めると、月末の時間が、気の重いものになりがちです。並びの違いは、3つ目の流れで書いたように、思い出す手がかりとして使います。前より多かった項目があっても、その期間にあったことを思い出せれば、それで十分です。
- 見るものを、月ごとに増やしません。気になる所が出てくると、見るものを足したくなることがあります。足していくと、次の月末にかかる時間が長くなり、後回しにしやすくなります。足したいときは、4つのどれかと入れ替えます。入れ替えたことは、その月末の1行に書いておくと、次のときに迷わずに済みます。
出ていったお金のほうが多かった期間も、振り返り方は同じ4つです。その期間の記録の残し方は、家計簿が赤字の月の書き方 ― 使いすぎた月を消さずに、落ち込まずに戻るで紹介しています。
振り返りを、毎月同じ順番にする
振り返りを続けるには、見るものと順番を固定して、月1回、同じ形でくり返すことから始めます。
振り返りは、前の月末に残した1行を読むところから始めます。読み終えたら、記録の抜け、2つの合計、項目ごとの並びと進み、最後にまた1行を残します。前回書いた予定が、実際にあったかどうかも、そこで目に入ります。こうすると、1行が次の月末への橋渡しになり、毎月の振り返りが、輪のようにつながっていきます。順番が決まっていれば、始める前に、何から見るかを考えずに済みます。4つの順番を、メモ欄の上のほうに書いておく形もあります。
振り返る日をいつに置くかは、期間の区切り方によって決まります。その置き方は、家計簿の締め日の決め方 ― 給料日始まりと1日始まり、どちらにするかで紹介しています。時間が取れないときは、記録の抜けと、最後の1行だけにしてもかまいません。4つをすべて見ることより、毎月同じ順番で始めることを先にすると、振り返りが記録の続きとして残っていきます。
「アルニ」がふり返りで決めていること
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、期間のふり返りについて、アプリで決めていることです。
- 記録は、一覧・カテゴリ別・支払い方法別で見られます。
- 期間の終わりに、ふり返りカードが1枚出て、次の期間の自分への一言を残せます。
- 記録した期間の数は、羊の足あととして残ります。
月末に見るものを決めておき、次の期間へ一言を渡していく、という考え方です。
よくある質問
家計簿の振り返りは、月末に何を見ればいいですか?
記録の抜け、入ってきたお金と出ていったお金の2つの合計、項目ごとの合計の上から3つ、の順に見ます。最後に、次の期間に持っていきたいことを1行だけ残します。見るものと順番を毎回同じにすると、続けやすくなります。
振り返りで、前の月より多く使っていたら、どうすればいいですか?
多いか少ないかで良し悪しを決めずに、項目の並びが前の期間と違うかを見て、何があったかを思い出す手がかりにします。次の期間に関わることがあれば、1行に残しておきます。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、月末の振り返りで見るものを、記録の抜け・2つの合計・項目ごとの合計の3つと、最後の1行に決めること。2つ目は、合計や項目の並びに良し悪しを付けず、ほかの人とも並べないこと。3つ目は、前の月末に残した1行から始めて、毎月同じ順番でくり返すことです。順番が決まっていれば、振り返りは毎月の記録の続きとして並んでいきます。