家計簿の項目の決め方の基本
この記事では、支出を分けるときの名前を、項目と呼びます。費目と呼ばれることもあります。
項目は、買った物を何に使ったかという、暮らしの場面で分けます。買った店を基準にするのではなく、使い道で分けておくと、レシートを手に取ったときに、入れる先がその場で決まります。出先で食べた物は、出かけた場面ではなく、食べる場面に入れます。買った場所と使い道が違うときは、使い道のほうを先に見るのが、ここでの分け方です。
項目は、暮らしの場面1つにつき1つ作り、どの場面にも入らない支出のために、雑費を用意します。項目の数は先に決めず、自分の暮らしにある場面の数を、そのまま項目の数にします。
毎月決まって出ていく固定費の項目は、場面とは別に並べておきます。その決め方は、家計簿の固定費と変動費の分け方 ― 固定費の項目を決める3つの手順で紹介しています。記録をつけ始めるときの手間を軽くする考え方は、家計簿が続かない人向けの続けるコツ ― ざっくりつけて挫折しない4つの決めごとで触れています。
一人暮らしの場面から、項目を決める
一人暮らしで、支出が出ていくことの多い場面を5つ取り上げます。自分の暮らしに無い場面は飛ばし、ほかにある場面は足して読んでください。
一人暮らしでは、食べること・家のこと・出かけることの支払いを、どれも自分でします。そのため、項目の並びが、そのまま自分の毎日の形に近くなります。
食べる場面
食べる場面で出ていく支出は、「食費」の1つにまとめて始めます。食材のほか、弁当や飲み物、外で食べた分も、この項目に入ります。食べる物は買う回数が多くなりやすいので、入れる先が決まっていると、毎日の記録が軽くなります。自炊の日と外で食べる日が入れ替わる暮らしでも、はじめは1つにしておけば、どちらに入れるかで手を止めずに済みます。
外で食べた分を分けて見たくなったら、次の期間の始まりから分ければ十分です。人と一緒に食べた分は、「食費」か、あとで書く「交際」のどちらかに決めて、毎回同じ方に入れます。どちらに決めたかをメモに1行書いておくと、あとで見返しても、入れる先がぶれにくくなります。
家の中で使い切る物の場面
洗剤や紙類、ごみ袋のように、家の中で使い切る物は「日用品」に入れます。電池や電球のように、たまにしか買わない物も、家の中で使い切るなら、同じ「日用品」に付けます。買う回数が少ないからといって、そのための項目を新しく作ることはしません。日用品は、なくなりかけたときに買い足す物が多く、いつ出ていくかは月によって違います。こうした品は、食べ物と一緒に買うことも多いのですが、そのときの扱いは、次の節のまとめ買いのところで書きます。
出かける場面
電車やバスのように、移動のために出ていく支出は「交通」に入れます。出かけた先で、駐輪場や駐車場にその都度払う分も、ここに付けます。毎月決まって払う分は、固定費として別に並べます。出先で食べた物は「食費」、出先で買った日用品は「日用品」に入れて、「交通」には移動の分だけを残します。そうすると、「交通」の合計を見れば、どれだけ出かけていたかが、そのまま形になって残ります。
身の回りを整える場面
服や靴、散髪のように、身の回りを整える支出は「衣服・身の回り」に入れます。靴の修理や裾上げのような支払いも、身の回りを整えることなので、ここに入れます。季節の変わり目には、身につける物の支払いが続けて出ることもあります。それは、その時期の暮らしの形が出ているだけなので、ほかの時期と比べて、多いか少ないかは決めずにおきます。服と散髪を分けて見たくなったときは、後半の節で書く足し方で、項目を分けます。
人と会う・楽しむ場面
人への贈り物や集まりの支払いは「交際」、一人で楽しむための物は「趣味」に入れます。集まりのために買った手土産は「交際」、自分のために買った本や道具は「趣味」のように、誰のための支出かで分けると決めやすくなります。一人暮らしでは、友人と出かけた日に、自分の楽しみの買い物が重なることもあります。分けるのが重いと感じるなら、はじめは「交際・趣味」の1つにまとめておいてもかまいません。分けておくと、見返したときに、誰かと過ごすことが多かった時期か、一人の時間が多かった時期かが、項目の並びからわかります。どちらが多くても、それはその時期の過ごし方として残るだけです。
入れる項目を、先に決めておく支出
場面で分けても、入れる先がすぐに決まらない支出があります。よく出てくる4つは、扱いを先に決めておきます。
- 雑費には、どの場面にも入らない支出だけを入れます。日用品は「家の中で使い切る物」と中身が決まっていますが、雑費は中身を決めずに、自分で決めた場面のどれにも当たらない、残りの支出を受け取る項目です。手続きのための支払いのように、ほかの場面に入れようのない支出が、ここに来ます。入れた支出の名前は、メモに短く残しておきます。あとで項目を足すときに、その名前が役に立ちます。
- 食材と日用品が1枚のレシートに並ぶまとめ買いは、項目ごとに分けて2件にします。合計をまとめて書くと、「食費」の中に洗剤が混ざり、見返したときに、食べる場面の形が見えにくくなります。分ける額は、レシートの行を食べ物と日用品に分けて足すだけで、計算し直すことはしません。分けるのが重い日は、品数の多い方の項目に1件で書き、メモにもう片方の名前を添えます。
- いろいろな物が買える店での支払いも、店の名前ではなく、買った物の場面で分けます。店の名前を項目にすると、同じ食べ物でも、買った所によって入る先が変わります。どこで買ったかも残したいときは、先に場面の項目を決めてから、店の名前をメモに書いておきます。買う所が変わっても、入れる先は変わらないので、見返したときの並びがそろいます。
- 通販の送料は、その買い物と同じ項目に入れます。送料だけの分け先を作ると、買った物と送料が、別々の所に並ぶことになります。食べ物と日用品を一度に頼んだときは、まとめ買いと同じように、品数の多い方の項目に付けます。
4つとも、一度決めた扱いを、次に同じ支出が出たときにも続けると、項目の中身がそろっていきます。
項目を途中で足す・まとめるとき
項目は、つけながら変えてかまいません。変えるのは期間の始まりの日からにして、それまでの記録は書き換えません。
足すのは、雑費のメモに同じ名前が何度も出てくるときと、ある項目の中を分けて見たいと思ったときです。たとえば、「食費」の中から外で食べた分だけを見たくなったら、「外食」を足します。足すと決めた項目は、次の期間の始まりから使います。前の期間に雑費へ入れた分を、新しい項目へ移し替えることはしません。
まとめるのは、似た項目のどちらに入れるかを、毎回考えてしまうときと、ほとんど使っていない項目があるときです。近い場面の項目に寄せて、まとめた名前を、次の期間の始まりから使います。前の記録は、元の名前のまま残しておきます。
足したときも、まとめたときも、その期間には、変えたことを1行メモに残しておきます。あとで期間を並べて見返したときに、項目の顔ぶれが前と変わっている理由を、その1行で思い出せます。月末に何を見るかは、家計簿の振り返り方 ― 月末に何を見て、次の月に何を残すかで紹介しています。
項目は、はじめに決め切るものではなく、記録を重ねながら、自分の暮らしの形に近づいていくものです。
「アルニ」が項目について決めていること
アルニの家計簿アプリは、App Store で公開しています。ここで書くのは、支出の分け方について、アプリで決めていることです。アプリでは、項目をカテゴリと呼んでいます。
- 無料の範囲で、1つの買い物を、複数のカテゴリに分けて記録できます。
- カテゴリ別の表示や、検索とタグも、無料の範囲にあります。
- 買い切りの「牧場をひろげる」では、「食費」の下に「スーパー」「コンビニ」のような小分類を置けます。
1つの買い物でも、使い道の場面ごとに分けて残せるようにしておく、という考え方です。
よくある質問
家計簿の項目は、どうやって決めればいいですか?
買った物を何に使ったかで、暮らしの場面に分け、場面1つにつき1つの項目を作ります。どの場面にも入らない支出のために雑費を用意し、毎月決まって出ていく固定費の項目は、場面とは別に並べておきます。
一人暮らしの家計簿で、雑費と日用品はどう分ければいいですか?
洗剤や紙類のように家の中で使い切る物は日用品、どの場面にも入らない支出だけを雑費に入れます。雑費に入れた物の名前をメモに残しておくと、あとで項目を足すかどうかを決める手がかりになります。
まとめ
要点は3つです。1つ目は、家計簿の項目を、買った物を何に使ったかという暮らしの場面で決め、数は先に決めないこと。2つ目は、雑費・まとめ買い・店での支払い・送料のように、入れる先が決まりにくい支出の扱いを、先に決めておくこと。3つ目は、項目を足す・まとめるときは期間の始まりの日から変え、前の記録は書き換えないことです。場面で分けた項目は、記録を重ねるうちに、自分の暮らしに合った並びになっていきます。